2.糖尿病

1) 糖尿病の分類と診断
 糖尿病は1型と2型に分類されます。空腹時の血糖値が110mg/dl未満であれば正常、126mg/dl以上であれば糖尿病であり、110mg/dlから125mg/dlの値を示す人は耐糖能異常といいます。(図16)

【 図16 】

 いずれも、すい臓から分泌されるホルモンであるインスリンが不足することによって、血液中の糖が異常に高くなってしまう病気です。糖の代謝異常で細胞の機能が損なわれ、意識障害などを起こすほか、血管の閉塞、白内障を起こし失明や腎臓の機能不全の原因となります。

 1型は若い人に発症しやすく、インスリンが絶対的に不足し、治療もインスリンを注射で補充する必要があります。

 2型糖尿病は肥満などが引き金となり発症する糖尿病で、インスリンが相対的に不足し、血液の糖が異常に上昇してしまう病気です。治療はインスリンの量に見合った食事量を決めて、バランスをとる食事療法が基本となります。そのうえで、バランスの取れない分を経口糖尿病薬やインスリンで補うことになります。糖尿病の大部分は2型糖尿病であり、発症の予防は肥満にならないバランスの良い食事と運動です。

2)糖尿病と脳梗塞
 糖尿病は細い血管の閉塞を起こしやすいことから、脳卒中の中では脳梗塞発症と関わりのある危険因子です。(図17)

【 図17 】

 日本の脳出血では、食生活での低栄養を示す血液中の低蛋白や低コレステロールの状態が危険因子であることが確かめられています。糖尿病は過栄養が発症の引き金になる疾患であることから、糖尿病を持つ人は脳出血やくも膜下出血が起きにくい結果が秋田県では得られています。このことは、バランスの良い食事が全ての脳卒中を起こし難くすることを意味しています。

 さらに、糖尿病と高血圧が合併すると脳梗塞を発症する危険が大きく増大します。そのため、糖尿病を合併する高血圧では、ただちに血圧降下薬を使い治療目標値も正常高血圧以下にすることが、高血圧治療ガイドラインで示されています。

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知れば防げる脳卒中

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