1.脳卒中の症状と程度

 「脳卒中はどんな病気?」で示した症状が突然おきることで、脳卒中を疑うことができます。意識障害、運動障害(単まひ、片まひ、四肢まひ)、感覚障害(半身、交代性)は気づきやすい症状で、重症の場合は本人や異変に気づいた周辺の人の判断で、何時でも直ちに救急車などで病院を受診します。

 しかし、脳卒中の症状は多彩で、すぐに気づくとは限りません。意識障害は程度によって、なんとなくボーとしていたり、軽い酩酊状態のような軽度の意識障害から刺激に全く反応しない状態まで様々です。

 程度の違いは運動障害や感覚障害でも同様です。意識が障害されず、手足に違和感がある、力が入りにくいなど軽症の場合は脳卒中と思わずに、様子をみてしまうこともあります。その間に、急性期の治療の機会を逃してしまい、悪い結果となることも考えられます。秋田県の脳卒中発症登録では、脳卒中発症時に運動まひを示す人が77%、意識障害を示す人が35%、頭痛を訴える人が22%、嘔吐する人が21%でした。(図3)

【 図3 脳卒中症状の有無 】

 脳卒中のまえぶれ(警告症状)として半身の感覚障害や運動まひの症状がわずかの時間出現して、そのあと完全に症状が消失してしまう場合があります。これはその後に本格的な脳卒中が起きる可能性がある重要な症状で、一過性脳虚血発作と呼ばれています。

症状がわずかの時間で治っても安心せずに必ず検査を受けるようにしましょう。

脳卒中?・・・と疑う前に


知れば防げる脳卒中

トップページ